2005年の日米関係において何が起こったかをまとめた一冊。共通のテーマで各論文に一定の方向性を与えた昨年版とは異なり、本書では、日米関係にかかわる様々な事柄の分析から浮かび上がる共通項を重視した。その共通項とは、さらなる二国間・地域的・世界的協力の必要性と、外からの力を拒み独自の行動をとろうとする感情的・愛国主義的圧力の高まりによる緊張関係だ。実際に論じられているのは、朝鮮半島や台湾海峡、中東における日米同盟、日米同盟のトランスフォーメーションと在日米軍の再編、日本の金融制度改革、東アジアエネルギー協力、日米の環境政策などについての9テーマ。日米両首脳の個人的な強い結びつきに牽引され、新たな協力レベルに達したとされる両国関係だが、その裏に隠された諸問題について解き明かしていく。 なお、まえがきはJ・トーマス・シェーファー駐日米国大使。和文・英文を収録した年次報告書。
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