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このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。
解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。
※隔週で2~4単語ほどを掲載。 ※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q: 「地球」の名前を英語で言えますか? (「地球」の客観的な呼び方)
A:Earth
※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています
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「地球」の普通の呼び方はthe Earthだが、「この大地」という表現が地球を指すようになったもので、地球の名前そのものではない。この惑星の名前はEarth (theを付けない) ![]() 地球から見た「(この)地球」はthe Earthが標準的。でも宇宙から見た「(惑星)地球」はEarthとするのが、標準的です。1つの天体として地球を見るときは、Earthと呼ぶのが自然です。 ![]() ■「地球」は英語では3通り 「地球」には3つの表記があり、 the Earth the earth Earth です。どれも正しいですが、使い方に好みがあります。 人類が住む「母なる」地球というニュアンスのときはthe Earth / the earthが普通です。地球環境問題を論じるときもこれです。 しかし宇宙に浮かぶ1つの天体として客観的に地球を呼ぶときは、(無冠詞)Earthが自然です。天文学などでいろいろな惑星と同列に扱うニュアンス(火星に対しての地球、はるか宇宙から見た地球、太陽系にある惑星の名称)の場合です。 言い換えれば、 地球に視点がある・主観的な呼び方が、the Earth / the earth 宇宙に視点がある・客観的な呼び方(名称)が、Earth 気持ちの問題なので、天文学でthe Earthと言っても、結局は同じものを指しているので、間違いというわけではありません。 ■くわしい理由 歴史的な理由から、英語では「地球」という表記が3つ存在します。3つの表記を直訳してみると、以下のようになります。 the earth = 「(我々人類が住む)この大地」 the Earth = 「(我々人類が住む)この惑星」 Earth = 「チキュウ」(太陽系第3惑星の名前) これら3つはすべて、「地球」と訳されます。しかし英語では、無意識に使い分けされることがあります。 (A) the Earth / the earth 「地球」を指す標準的な言い方。しかし「地球」の名称そのものではありません。 earthとは「土」「大地」のことです(soil)。電気絶縁の「アース」として日本語にも入っています。天国や地獄に対して「(我々人類が住む)この大地」がthe earthの、当初の意味だったのではないでしょうか。「天地」の「地」で、宗教的な意味合いもあるでしょう。 15世紀ごろ、天体の認識にともなって、「(我々人類が住む)この惑星」という意味で、the earthを使うようになりました。 人類の宇宙進出とともに、「地球」を固有名詞としてとらえる気持ちから大文字the Earthが優勢になりました。(英語での大文字は固有名詞であることを示します。 (B) Earth これこそが、この星の名前。太陽系の第3惑星で、この星には人類と呼ばれる炭素ベースの生物が生息しています。SF宇宙ドラマなどでは、地球はたいていEarthと呼ばれます。 ●太陽系の惑星の例 Mercury 水星 Venus 金星 Earth 地球 Mars 火星 Jupiter 木星 Saturn 土星 固有名詞には、theは付けません(theを付けないと固有名詞と認識されないものには付ける)。これは、固有名詞である人名にtheを付けないのと同じこと。たとえば、the Barack Obamaと言うと不自然に感じるのと同じ感覚です。(無冠詞)Barack Obamaと言うと自然です。 ほかの天体と同列に並べて(客観的に一つの星の名前として)言うとき(Mars, Jupiter, Earth, Saturn, ...)には、theなしのEarthが自然です。Mars(火星)にもJupiter(木星)にもSaturn(土星)にも、theは付けず、惑星「地球」も(無冠詞)Earthとなります。 -------------- ■宇宙人に自己紹介するときは 将来、人類がついに宇宙人と出会ったときは、どんな会話になるでしょうか? 宇宙人と英語で会話する場合は、相手にWe are from the Earth(= あの地球)と唐突に言うと、「どのチキュウですか?」と聞き返されるかもしれません(theは自他ともに既知のものを「あの」と指す)。ですから、 We are from Earth. と自己紹介しましょう。
伊藤サム(Sam Ito)
![]() 父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。 ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。 著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。 ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/ 伊藤サムさん 著書、解説・監修書の紹介
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