単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q:peoplesとは何のことですか? people(人々)はすでに複数なのに、なぜpeoplesとさらに複数形になっているのですか?
And so, to all the other peoples and governments who are watching today ... (オバマ大統領就任演説より)

A:ここでのpeoplesは「諸国民」です。

peopleは「人々」という集合名詞であるところがポイントです。
集合名詞と書くと、文法用語が苦手な方は逃げたくなるでしょうから、peoplesとはどんなものかを、写真で具体的に説明します。
たとえば、


the people of Kenya ケニアの人々(国民)



the people of Britain イギリスの人々(国民)



the people of Spain スペインの人々(国民)


以上は、それぞれ、どれをとっても1つの people です。
以上をすべて合計すると、3つのpeoples となります(これら3国の国民たち)。






同じく集合名詞である、下記の名詞が複数形になるのも同様の理屈です。頭の中で具体的にイメージしてみてください。
team  teams
group  groups
nation  nations
crowd  crowds

例:And so, to all the other peoples and governments who are watching today ...
大統領就任演説はthe American people(アメリカ国民)が対象なので、the other peoplesと言えば、アメリカ以外の「諸外国の国民」のことになります。



■オバマ大統領就任演説より(2009年1月20日):

And so,
to all the other peoples and governments who are watching today,
from the grandest capitals
to the small village where my father was born,
know that America is a friend of
each nation, and every man, woman and child
who seeks a future of peace and dignity.


オバマ大統領就任演説ではpeopleが9個所で使われています。以下は例です。

We will begin to
responsibly leave Iraq to its people
and forge a hard-earned peace in Afghanistan.


To the people of poor nations,
we pledge to work alongside you
to make your farms flourish
and let clean waters flow;
to nourish starved bodies
and feed hungry minds.


For as much as government can do, and must do,
it is ultimately the faith and determination
of the American people
upon which this nation relies.



※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています バックナンバー
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/