単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q:「初めまして」は、Nice to meet you.それともNice meeting you.でしょうか? この2つはどう違いますか?

A:初対面の相手に会ったときのあいさつは、
Nice to meet you.
その後で、別れるときのあいさつは、
Nice meeting you.
が典型的です。



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■あいさつの流れ


Nice to meet you.



Nice to meet you, too.



They are meeting.



Well, I have to go. Nice meeting you.
It was nice meeting you, too.


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■toと~ingのニュアンスの差

初対面の相手に会ったときのあいさつは、
Nice to meet you.
その後で、別れるときのあいさつは、
Nice meeting you.


これは、to ~と~ingのニュアンスの差に基づいています。




toは本来、「(これから)~へ(近づく)」であることから、未来的、個別的、動詞的(動的)なニュアンスが出ることがあります。meetという動作は、toの少し先にあります。
Nice to meet you. = It is nice (for me) to meet you.
あなたに(私が今)会うのでうれしいです。→お会いできてうれしいです。



They are meeting.

これに対して、meetingの~ingは本来、「~しつつある(こと)」ですね(進行形)。このことから、「もう実現している」(未来ではない)というニュアンスが出ることがあります。
Nice meeting you. = It was nice meeting you.
あなたと会ったことはうれしかったです。→お会いできてよかったです。
これは別れのあいさつです(さようなら)。


なお、toを使っていても、
It was nice to meet you.
のように、過去について話していることがはっきりしていれば、別れのあいさつでも使用可能です。


英語でのあいさつ表現は多様であり個人差もあり、ここで挙げたのは典型的な例に過ぎません。

toと~ingは同じ意味で使われる場合もたくさんあります。どちらか片方しか使用できない場合もあります。どんな意味の動詞と組み合わせるか、その動詞のニュアンス、慣用が関係します。
※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています バックナンバー
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/