単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q: 英語にとって、シェークスピアとはどんな存在でしょうか? 

 A:大量の英単語・名文句を作り、英語に最も影響を与えた個人

シェークスピアは、英語世界で過去最高の書き手といわれるだけでなく、たった一人の人間が、英語にこれほど大きな影響を与えた例はほかにありません。”Love is blind.”など、無数の英語表現を作り、それを現代でも私たちは使っています。



First Folio (1623)より

イギリスの劇作家・詩人ウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare、1564-1616)は、英語にまだきちんとした語彙・文法体系がなく、英語そのものがたいした存在でなかった時代に活躍し、英語に大量の単語・名文句を与えました(すでに存在した語彙を初めて書き文字にしたものを含む)。彼は英語を欧州でも第一級の言語に育てたのです。
シェークスピアの英語は、early modern English(初期近代英語)の部類で、その英語は現代英語の原型。また、英語の発音が大変化した「大母音転移」現象の後なので、発音も今日の英語に近いようです。
およそ二千語と無数のフレーズを英語に与えました。

■シェークスピアの単語例
cold comfort, cold-blooded, critical, downstairs, dwindle, eyeball, eyesore, hoodwinked, inaudible, laughing stock, leapfrog, madcap, majestic, obscene, radiance, salad days, softhearted, tongue-tied

■シェークスピアの表現例
brevity is the soul of wit
budge an inch
I must be cruel only to be kind
flesh and blood
in a fool's paradise
a foregone conclusion
foul play
the game is up
good riddance
for goodness' sake!
green-eyed jealousy
It's Greek to me
it is high time
lie low
love is blind
in my mind's eye
neither here nor there
seen better days
the short and the long of it
too much of a good thing
at one fell swoop
a tower of strength
Tut, tut!
vanished into thin air
all our yesterdays
not one wink
what the dickens


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伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/