このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。
解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。
A: recordの基本イメージは、情報を「書き留める」こと。情報を「記録すること」「記録したもの」など、「記録」に関連するあらゆることがrecord。「記録」「最高記録」「記録的な」「記録する」「録音する」など。
record(記録する)の基本イメージは、このイラストのように「情報を書き留める」こと。recordとは、keep information for the futureのことであり、典型例がput in writing(書き留める)ことでしょう。
語源的には、recordとはre(再び) + cord(心)です。re-はagainの意味で、cordの部分はheartを意味。つまり、call to mindやrememberに近い意味でしょう。
後々のために書き残す(記録する)ことが基本的な意味ですが、「記録」そのものもrecordですし、
記録を書いたもの(紙など)自体もrecordと呼び、「記録」「記録文書」「議事録」「登記簿」などと訳されます。紙以外のものに機械を使って記録したものには「レコード(音盤)」がありますが、もう見かけなくなってしまいましたね。
上のイラストはrecordです。下の記録文書もやはりrecordです(たくさんあるのでrecords)。形は違っても、「(情報を)記録したもの」という意味では同じもの。
動詞では、音を記録する文脈では「録音する」、映像を記録する場合は「録画する」と訳せます。メモ取りにせよ、録音にせよ録画にせよ、すべてrecordしているのです。
なお、名詞のrecordはre-にアクセントがありますが、動詞(記録する)としては-cordにアクセントが移ります。
何か新しいことを記録するときは、それまでのthe best record(最高記録)であることが多いため、単にrecordでも「最高記録」の意味があります。形容詞的に使うと「最高記録の」「記録的な」です。単純に言えば、record = bestのような意味になります。
誰かがメディアに「on the recordでコメントする」とは、「(公的な)記録上に(残る形で)」ということで、具体的には発言者の実名が新聞などに載ることです。off the recordであれば「オフレコ」で、まったく記事にしない約束(場合によっては匿名)で話すことです。
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:
http://homepage1.nifty.com/samito/