単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q: breakには多数の訳語がありますが、基本的なイメージは何でしょうか?

 A:「急激に力を加えることによって、ものを2つ以上の部分に引き離す」こと。breakは日本語の「壊す」より意味が広く、棒を「折る」、卵を「割る」といったことも表す



He broke a stick into two pieces.



She broke an egg into a bowl.


breakを単純に言えば、「強い力で壊す」こと。いろいろな意味が派生しています。


物理的には、「砕く」「ちぎり取る」「突破する」など。「(お金を)崩す、両替する」(お金を、2つ以上の小額紙幣やコインに変える)といった意味にもなります。


抽象的には、法律を「破る」など。これまでの状態を「突然こわす」ということから、何かを「中断する」、沈黙を「破る」、習慣を「断つ」「止める」など。


break a recordならば、「(これまでの)記録を壊す」、つまり「記録を破る」こと。break one's heartなら「心を壊す」ですから、「(相手の)心を傷つける」です。


自動詞としては、物が「壊れる」など。何かがbreakしたときの音は、crack!です。
機械が「こわれる」「故障する」とは、物自体ではなく機能が一時的にこわれてしまうことです。


従来の均衡をbreakして「突然起きる」、というイメージがあるため、a fire broke out(火事が「起きた」)やa war broke out(戦争が「勃発した」)という表現もあります。


名詞としては、「仕事を中断すること」、つまり「休憩」などの意味があります。例:Let’s take a coffee break.(コーヒーでも飲みながらひと休みしよう)
breakthroughは、これまでの壁を突然突き抜けた(break throughした)科学技術の「大発見」「躍進」です


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※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています バックナンバー
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/