単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q: 英語の歴史において、最大級の出来事は何だったでしょうか? 次の空白()を埋めてください。
The most important event in the development of the English language is the N□□□□□ C□□□□□□□ of 1066.

 A:The most important event in the development of the English language is the Norman Conquest of 1066.
英語の発達において最も重要な出来事は、1066年のノルマン(人による英国)征服です。




ノルマン人による英国支配が始まり、やがて大量のフランス単語が英語に流入しました。フランス語の源流はラテン語なので、ラテン語からも単語が流入したことになります。
以前からあった単語のスペリングも、ドイツ語風からフランス語風に一変しました。


■古英語
5世紀に、今のドイツ北部にいたゲルマン系(Germanic)の人々がブリテン島を占領、先住民を追い出して持ち込んだ言葉が、今の英語の先祖です。この時代の英語はOld English(古英語)と呼ばれ、現在のドイツ語に似ています。スペリングも発音も文法も、今の英語とは違います。


■中英語
1066年に、天地がひっくり返りました。フランスのノルマンディー地方に定住していたノルマン人(元バイキング)に、征服されてしまったのです。ノルマンディー公(Duke of Normandy)のウィリアム1世(William I)が、英王室の継承権を主張して侵攻したもの。彼は1066年のクリスマスに即位し、イングランド国王となりました。

征服者たちは古フランス語(の方言)を話したため、やがて英語にフランス語から大量の単語が流入しました。army、authority、beef、calendar、cream、poor、vision、enemy、battle、peace、religion、service、miracle、design、beauty、romanceなど、少なくとも一万語。英語はすっかり変わってしまいました。

Middle English(中英語)の時代(12世紀~15世紀)には、そのほかにも、複雑だった単語語尾屈折がなくなり、文法もすっかり変わりました。
※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています バックナンバー
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/