単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q:「フィリピン」を英語で言えますか?

A:「フィリピン」はthe Philippinesです。





theが付き、そして複数形であることに注意してください。
日本の南の隣国ですので、国名を正確に覚えましょう。
正式には、
the Republic of the Philippines(フィリピン共和国)です。

なお、単にPhilippineと言うと国名ではありません。形容詞で、「フィリピンの~」「フィリピン人(Filipino)の」という意味です。

「フィリピン」の名前の由来は、16世紀から宗主国だったスペインの
King Philip II
から来ています。

1898の米西戦争でスペインはアメリカに敗北、フィリピンは今度はアメリカの植民地になりました。
このとき、フィリピンをアメリカは
the Philippine Islands (フィリピンの島々)
と呼びました。これを縮めたものが
the Philippinesです。

theが付く文法的な理由は、the ... islandsという構造のため。
複数である理由は、islands が略されているため。

さて、
the Philippines
正確な訳(直訳)は「あのフィリピンの島々」あるいは「フィリピン諸島」です。
略してシンプルに意訳すると「フィリピン」。これが日本語での正式訳として採用されました。
英語名と日本語名にずれがあるのは、日本語名が略名だからです。

※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています バックナンバー
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/