このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。
解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。
A:英語の原型は、単純に言うと5世紀ドイツ語の方言です。
Anglo-Saxon Chronicleより。英語初の歴史書で、当時は手書き筆写。9世紀についての記述を1046年ごろに筆写したもの。大英博物館蔵(
http://www.bl.uk/onlinegallery/onlineex/histtexts/anglosax/index.html)
5世紀に、今のドイツ北部・デンマーク・オランダにいたゲルマン系(Germanic)の人々が、今のイギリスに侵攻して持ち込んだ言葉の末裔が英語。英語の原型は、単純に言うと、5世紀ドイツ語の方言です。
もちろん、5世紀に「ドイツ」という国はありませんでしたが、まあ単純に言うと、古代ドイツ語の1つでしょう。
この動きは、俗に言う「ゲルマン民族大移動」の一部です。
現在のイギリスに侵攻したゲルマン系の人々は、先住民族ケルト人を支配するのではなく、追い払ってしまったので、ケルト語の英語への影響は少ないようです。
ゲルマン来襲の簡単な図が、別項目(
英語の「故郷」)にあります。
古い時代の英語を分類した表が、別項目(
古い時代の英語)にあります。
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:
http://homepage1.nifty.com/samito/