単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q: 「2010年ノーベル化学賞を3人の科学者が共同受賞した」と英語で言えますか?

 A:Three scientists have shared the 2010 Nobel Prize in Chemistry.
「2010年ノーベル化学賞を3人の科学者が共同受賞した


単にsharedと書いても結構。
ノーベル委員会による発表直後で「(これから)共同受賞することになった」段階では、will shareまたはare sharingが正確な書き方。しかしノーベル賞は発表されたとたんに受賞したも同然の雰囲気になるため、受賞式の前であってもsharedやhave shared(共同受賞した)と書かれることも多い。

なお、wonやhave won(受賞した)と書いても、主語が3人なので解釈すれば共同受賞であることになる。


■shareの基本イメージ


They are sharing a drink.


2010年ノーベル化学賞は、アメリカ・デラウェア大学のリチャード・ヘック名誉教授と、パデュー大学の根岸英一特別教授と、北海道大学の鈴木章名誉教授との共同受賞となりました。賞金1000万クローネ(およそ1億2000万円)は3人に3等分です。


Three scientists are sharing the medal.


■shareとは

shareは「分け合う」。名詞では「(分け合った際の)取り分」というの意味があります。

動詞としては、モノ・利害・意見・感情などを「分け合う」、つまり「共有する」。ある人が情報を他の人と分け合う場合には、「伝える」と訳すこともできます。

名詞としては、分け合った後の「分け前」「取り分」が基本的な意味。
語源的にみますと、shareの原義は「分けること」(dividing、cutting)で、分割して各自の取り分に分けたものです。


She is taking her share of the pie.

どんなものであっても、パイの一部分はshareと呼ばれます。図解のように、パイを分配するときの自分の「取り分」はshareです。

会社への出資も、パイの一部分(その会社の資産の、自分の保有分)なので、shareです。この場合は「株式」「共有権」などと訳されます。
市場での「シェア」(市場占有率)も、市場(全体)というパイの一部分なのでshareです。

仕事などの文脈では、「割り当て」「負担」「分担」「役割」「任務」などと訳されます。

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※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています バックナンバー
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/