単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q:オバマ米大統領就任演説のテーマは"a new era of responsibility"でした。このresponsibilityはどんなイメージですか?

A:重荷を背負って遠き道を行くイメージ。



responsibilityとは、何かduty(責務)があるために「やらなくてはならないこと」。つまり「責任」です。
会社の業務・育児・家のローン支払い・地球環境を守るなど、各人がresponsibleである(責任を負っている)ことです。

ちなみに、
「人の一生は重荷を負ひて、遠き道をゆくが如し。いそぐべからず」
は徳川家康の遺訓として知られます。
この「重荷」を捨てちゃうと、無責任(irresponsible)になります。


■オバマ大統領就任演説より
What is required of us now is
a new era of responsibility
― a recognition on the part of every American
that we have duties to
ourselves, our nation and the world;
duties that we do not grudgingly accept,
but rather seize gladly,
firm in the knowledge
that there is nothing so satisfying to the spirit,
so defining of our character
than giving our all to a difficult task.
われわれに今求められていることは
新しい責任の時代だ。
すべての米国人において認識することだ、
われわれは責務があると。
われわれ自身、われわれの国、そして世界に対して。
いやいやながら受け入れる(責務)ではなく、
むしろ喜んでつかみ取る(責務)だ。
しっかりと知るのだ、
精神にとってこれ以上満足させてくれるものはない、
これ以上われわれの人格を定義するものはない、
困難な課題に対してわれわれのすべてを与えることよりも。


オバマ大統領のメッセージは、以下のようなものでした。
過去は、義務をいやいやながら果たしていく時代であった。
しかしこれからは、喜んで自ら義務を果たしていく時代だ。
しかも一人一人すべてのアメリカ人が。

アメリカ人たちが、自分たちの果たすべき責任(重荷)を喜んで背負い、困難で遠い道を歩いていく。
そんな新しい時代が、
a new era of responsibility
です。
オバマ大統領による2010年度予算書にはテーマとして、"A New Era of Responsibility"とあります。不況という重荷を背負っていく予算なのでしょう。


※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています バックナンバー
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/