このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。
解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。
A:English is a member of the Indo-European family of languages.
英語の「親戚」はインド・ヨーロッパ語族(Indo-European languages)です。
英語の「家族」は、ゲルマン諸語(Germanic languages)です。
その昔、ヨーロッパ人がインドへ行ったときに、ヨーロッパの言葉とインドの言葉が似ていることに気がつきました。いろいろな単語を比べた結果、インドとヨーロッパの諸言語は親戚であることがわかりました。この親戚たちは、今では
インド・ヨーロッパ語族 Indo-European (family of) language
と呼ばれています。たとえば、英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ロシア語・ギリシア語・ペルシア語・サンスクリット・ヒンディー語・ウルドゥー語です。
■単語が似ている例
英語 father
ドイツ語 vater
ラテン語 pater
サンスクリット pitr
インド・ヨーロッパ語族の中でも、英語にとって直接の家族はゲルマン諸語、特に西ゲルマン諸語(West Germanic languages)です。西ゲルマン諸語とは、英語、フリジア語、オランダ語、アフリカーンス語、ドイツ語とイディッシュです。
インド・ヨーロッパ語族の祖先は、数千年前まで話されていたと考えられている、「インド・ヨーロッパ祖語」(印欧祖語、proto-Indo-European、PIE)です。文字は残っていませんが、諸言語の比較から再構築されているため定説となっています。印欧祖語がどこで話されていたかについては、諸説があります。
ちなみに、さらに1万2,000年以上前に、人類には単一の原始言語があったのでは、という「Nostratic仮説」もあります。これは定説ではありません。
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:
http://homepage1.nifty.com/samito/