このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。
解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。
A:基本形 (It was) Nice meeting you.
この基本形に反するバリエーションも多いが、「お会いし
たことは楽しかっ
た」と、
過去であることをはっきり表現するのが文法上のポイント。
Bye! It was nice meeting you!
■「初対面」基本1
初対面あいさつの公式(典型例):
初対面の相手に
会ったときのあいさつは、
(It
is) Nice
to meet you. (お会いす
ることはうれしいです ≒ こんにちは)
その後で、別れるときのあいさつは、
(It
was) Nice meet
ing you.(お会いし
たことはうれしかった ≒ さようなら)
この、to meetとmeetingのニュアンスの差については、
「初めまして」についての別項で解説しています。
初対面の人と話した後、別れるときのあいさつのバリエーションを以下、説明します。
■「初対面」基本2
Nice meet
ing you.のバリエーション
・略さずに言う(丁寧)
It was nice meeting you. (会ったことはうれしかったです)
It’s been nice meeting you.(会っていて今までずっとうれしかったです)
It was
a pleasure meeting you.(お会いできたことは、喜びでした)
・meetng以外の単語
It was nice
talking with you.(お話できて、楽しかったです)
■今回のポイント
初対面の相手に会ったときの、
Nice to meet you. = (It
is) nice to meet you.
別れるときの、
Nice meeting you. = (It
was) nice meeting you.
略されている時制が違うことを意識しましょう。
■「初対面」応用1: to meetが使える場合
冒頭の「初めまして」公式に反するような例も可能です。上のポイントのように、全体として過去であることをはっきり言えば、to meetなども使えてしまいます。
It
was nice to meet you. (全体として過去であることがわかる文)
It was nice to
have met you.(過去であることを二重に明確にした文)
It
is nice to
have met you. (全体としては過去であることがわかる文)
・そのほかの例
It
was a pleasure to meet you.
It
was a pleasure to
have met you.
It was a
real pleasure to meet you.(強調)
日本語ほどには、英語では決まり文句が固定されていません。このために学校で習った「公式」に反する表現に出会うことがあります。しかし、「過去のことは過去として表現する」という基本文法に従っているもので、実は一貫しています。
以上は「初対面あいさつ」についての文法的なポイントです。
あいさつにはコミュニケーション・文化的な側面もあります。「英単語イメトレ」には、「初めまして」について今回を含めて全6問あります。ほかのものもぜひご覧ください。
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:
http://homepage1.nifty.com/samito/