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このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。
解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。
※隔週で2~4単語ほどを掲載。 ※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q:オバマ米大統領の就任演説での第一声は
"My fellow citizens" でした。これを(1)直訳してください。(2)意訳してください。
A:"My fellow citizens"の
※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています
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(1)直訳は「私の仲間の市民たちよ」 (2)意訳は「国民のみなさん」 「citizen = 市民」とだけ丸暗記していると、正確な意味を把握できません。日本語の「横浜市民」というときとはニュアンスがずれます。 ■ My fellow citizensをイメージで表示してみると: ![]() ![]() ![]() My fellow citizensのMyはBarack Obamaさん。 fellowは「仲間」「同僚」。 citizenは、cityから派生していて「市民」と訳されます。「市の住民」という意味での「市民」として使うこともありますが、多くのケースは「市民社会」という政治的ニュアンスでの「市民」です。あるいは「公民(権を持つ人)」。実際には多くの場合で「国民」が文脈に合います。 大統領就任演説では国民に呼びかけるので、「国民のみなさん」が自然な訳でしょう。 訳例: the citizens of Paris パリ市民 the citizens of Japan 日本国民 citizenは、国から権利を保障されますが、国に対する義務も持ちます。 表現例:the rights and obligations of citizens(市民の権利と義務) 18世紀末、フランス革命では、国民たちが立ち上がり、国王を処刑して革命政府を打ちたてました。国民たちが手に武器を持ち、血を流して権利を勝ち取ったのです。このフランス革命のときの(仏語の)citoyenのイメージが、英語のcitizenにも流れ込んでいます。 オバマさんが呼びかけた、 My fellow citizens = My fellow Americans です。どちらも使われます。 オバマ大統領は、演説のクライマックスで国民に自発的な義務履行を求めました。このため、My fellow Americans よりもMy fellow citizensと呼びかけることで、「皆さんには義務がある」ことを示唆したものです。この意味では、「市民」と直訳しても含蓄があるでしょう。 ■ オバマ大統領就任演説冒頭(2009年1月20日): My fellow citizens: I stand here today humbled by the task before us, grateful for the trust you have bestowed, mindful of the sacrifices borne by our ancestors. I thank President Bush for his service to our nation, as well as the generosity and cooperation he has shown throughout this transition.
伊藤サム(Sam Ito)
![]() 父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。 ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。 著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。 ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/ 伊藤サムさん 著書、解説・監修書の紹介
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