単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q:poolとはいったい、何のことでしょうか?

A:液体などが「たまっているもの



This is a pool of water.


poolは「プール」として日本語でもよく使われます。これはswimming pool(水泳用プール)の略です。
poolとは、液体が「たまっているもの」のことで、たとえば雨の後で道にできる「水たまり」です。そのほかに、「ため池」「貯水池」、川の「渕(ふち)」「深み」、液体の「たまり」、原油が地下にたまった「油層」などを指します。




This is a pool of money.

さらにpoolには、みんながお金を出し合ってためた「合同資金」や「共同利用する施設」といった意味もあります。
動詞としては、お金などを「みんなで出し合う」ことがpoolで、日本語でも「資金をプールする」などと使われます。


例文
We pooled our money and bought a coffee maker for the office.
職場でお金を出し合ってコーヒーメーカーを買った。

この場合のpoolの本来の意味は、ギャンブルに参加した人たちが「賭けたお金の全体」です。たとえば職場で少しずつお金を出して賭け事の賞金とするものをoffice poolといい、野球やサッカーなどの優勝チームを当てた人たちに、このpoolから分配します。


例文
I participated in the office pool.
職場で、(賞金を出し合って)賭けた。

このpoolとは実は、a pool of water(水がたまったもの)ではなく、a pool of money(お金をためたもの)の略です。より厳密に言えば、the total pool of money bet(賭けられたお金のたまりの全体)です。


メディア界では、場所がせまいなどの理由で少人数しか取材ができない場合、一部の社の記者だけでpress poolを結成して代表取材をします。その場合に配信された写真はpool photoです。

pool = 「たまり」(旧字では「溜まり」)です。

なお、ゲームの「ビリヤード」も多くの場合、poolと呼ばれます。賭け事の場外馬券場のような場所に、レースを待つ客用にビリヤードが置いてあったからとか。



※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています バックナンバー
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/