単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q:政党の「(政策)綱領」や、演者が立つ「ステージ」をともに意味する単語は何でしょうか? なぜ「ステージ」を意味する単語が「綱領」をも意味するようになったのでしょうか?

A:platform
同じ単語である理由は、「綱領」は「ステージ」上で発表されたため。




platform


platformの基本イメージは、「平らな台」「土台」です。これを覚えておけば、ほかの訳語もよく分かります。


platformを語源的に簡単に言うと、flat form 「平らな形(をしたもの)」です。platformとは「上部がflatな台のformをしたもの」です。
上の図のように盛り上がった「平らな台」はなんでもplatformです。講演者などが立つ「ステージ」「演壇」や、先生が立つ「教壇」もplatformです。


政党が「綱領」をまとめて発表するときは、platform(演壇)の上から重々しく発表しますので、「綱領」「公約」も(policy) platformと言うようになりました。また、綱領とは政党の「土台」「基礎を成すもの」なのでplatformという言葉が合います。


なお、似た言葉で最近よく耳にする「マニフェスト(政権公約)」(manifesto)は、政党や政府などによる何らかの「宣言(書)」です。選挙(用に政党が発表した公約)宣言書であることを明確にすると、election manifestoです。




さらによく知られた意味は、駅の「プラットフォーム」です。地面から盛り上がった「平らな台」だからですね。




そのほかに、oil platformと言えば、海上に浮かぶ「平らな台」である「石油プラットフォーム」です(海上採油基地)。これはoil rigとも呼ばれます。


何かを達成するための「機会」という意味もあります。


※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています バックナンバー
伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/