単語イメトレ
このコーナーでは、今話題のキーワードの時事英単語や、英文を読む上で必須の頻出基本単語などをイラスト入りQ&Aのイメトレ(イメージトレーニング)方式で楽しく、そして覚えやすく紹介・解説をします。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさん。

※隔週で2~4単語ほどを掲載。
※トップページでは各Quizはランダムに表示されます。ぜひ何度もアクセスして全部のQuizに答えてみてください。
Q:「ジャパンタイムズ」は英語では何と言いますか? 
また、「ハーグ条約」で知られるオランダの「ハーグ」は英語で何と言いますか?


A:「ジャパンタイムズ」は英語ではThe Japan Timesです。
「ハーグ」はThe Hagueです。


英語の固有名詞には、名前にTheを含んでいるものがかなりあります。


The Japan TimesやThe Guardian(イギリスのガーディアン紙)は、当事者(その会社)が「当社の名前にはTheを付けることとする」と決めたために、Theが付いているタイプです。固有名詞(語頭を大文字で書かなくてはならない)なので、theではなく文中でもTheと大文字で書きます。
なお形容詞的に使う場合には、Theを落として使うことがあります。


固有名詞は、その人(その社)の財産です。どういう名前を自分に付けるかは、当事者の勝手です。
ですから、The New York TimesにはTheが付くのに、Los Angeles TimesにはTheがありません!


The Hagueは、オランダの行政の中心、ハーグです。英語では「ヘイグ」と読みます。
これにTheが付くのは、オランダ語の Den Haag の翻訳だからです。オランダ語やフランス語などは、冠詞をやたらと使う言語であるようで、それらをそのまま翻訳した場合、英語でも冠詞が付いた地名になります。英語の感覚からは、「こんなところに冠詞はいらないよ」という場合でも、固有名詞なので付けざるを得ないのです。


固有名詞の一部ということではないが、歴史的経緯などのため、theを付けて表記するのが慣用になっている地名もあります。ニューヨークの「ブロンクス」がそうで、英語ではthe Bronxです。


国名でも、the Philippines(フィリピン)のように、theを付けて表記する国があります。フィリピンについては、別項目で解説されていますのでご覧ください。

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伊藤サム(Sam Ito)
父親は米国サンフランシスコ生まれの日系二世。米国(高校)、英国(ロンドン大学)に留学。一橋大学在学中に英検1級で合格者総代。
ジャパンタイムズ在職中は、報道部にて外務省、大蔵省、首相官邸、自民党などを担当。週刊 ST 編集長、外信整理部長、編集局長などを歴任。その間、英 BBC などにコメンテーターとして出演、雑誌などへの寄稿も多数あり、多様なメディアにかかわるバイリンガル・ジャーナリストとして活躍。2009年NHK講座『ニュースで英会話』講師。
著書に『第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方』『第一線の記者が教える英字新聞の読み方』『伊藤サムのこれであなたも英文記者』、解説・監修に『ニュースダイジェスト ビギナーズ』(以上、ジャパンタイムズ)など。
ウェブサイト「英語の世界」:http://homepage1.nifty.com/samito/